2016.05.19

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税金未納じゃないですか?追加徴収されるかも!?

税金にはペナルティがあります。例えば、申告期限までに申告しない場合や、過少に申告した場合などです。
そのペナルティとなる税金は「附帯税」と言われます。

申告や納税が遅れると、様々なペナルティが発生します。
ペナルティである附帯税の税率は高く、本来不必要な税金まで納付することになってしまいます。
期限を守って納税する必要がありますが、どうしても納税資金が確保できない、社内の申告書の作成が遅れ提出ができない。
そんなどうしようもない状況に陥ってしまったとき、、、

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ご安心ください。
附帯税の種類ごとに、具体的なペナルティの内容をまとめました。
万が一、納税が遅れた場合等には、ペナルティである附帯税の影響を考慮して、落ち着いて納税まで対応してください。

また、ペナルティとなる税金の内容だけを読んだところで、正直よくわからないと思います。
実務上よく起こる事例を<2.事例紹介>にまとめました。
事例から確認していただき、必要に応じて<1.附帯税に関する内容>の内容を読んでいただくことでより理解も進むと思います。
<2.事例紹介>と合わせて、各ペナルティの内容をご確認ください。

それでは、附帯税にはどういったものがあるのでしょうか。
解説していきます。

<1.附帯税に関する内容>

◆附帯税の種類(国税通則法 第60~68条)
① 延滞税・・税金を申告期限までに納付しなかった場合
② 利子税・・税金の延納、申告書提出期限の延長の適用を受けた場合
③ 過少申告加算税・・名前の通り、税金を過少に申告した場合
④ 無申告加算税・・申告期限内に申告しなかった場合
⑤ 不納付加算税・・源泉所得税を納期限までに納付しなかった場合
⑥ 重加算税・・架空仕入、売上除外等事実の仮装や不正をした場合

◆延滞税
延滞税は、他の税金と異なり、日ごとに負担が重くなるものです。
気づいたら必ずすぐに納税しましょう。
延滞税の税率は、毎年異なります。

       ● (税率)(~平成27年4月1日時点の法令~)
   納期限まで及び納期限翌日から2か月を経過する日まで
   →年7.3% vs 特例基準割合+ 1%の低い方

  ● 納期限の翌日から2月を経過した日以後
   →年14.6% vs 特例基準割合+ 7.3%の低い方

税額が1,000円未満であれば切捨、課税されません
※「特例基準割合」とは?
前年の銀行の新規の短期貸出約定平均金利(財務大臣が告示)+年1%を加算した割合
例えば、平成27年1月1日から平成28年12月31日までの期間は、年2.8%です。
※国税庁ホームページ
 https://www.nta.go.jp/taxanswer/osirase/9205.htm

◆過少申告加算税

(税率)
 ● 税務調査を受ける前に、自主的に修正申告した場合、あるいは正当な理由がある場合
 →なし
 ● その他
 →原則10%(追加納付税額>当初申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%)

税額が5,000円未満であれば切捨、課税されません(国税通則法119条4)。

 

◆無申告加算税

(税率)(~平成27年4月1日時点の法令~)
 ● 税務調査を受ける前に、自主的に期限後申告あるいは、正当な理由がある場合
 →5%
 ● その他
 →本来納税すべき税額のうち50万円まで  15%
 →同上、50万円を超える部分  20%

申告期限から1カ月以内に自主的に行われている場合等、一定の場合は0%の場合があります。
※参考URL:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2024.htm
税額が5,000円未満であれば切捨、課税されません(国税通則法119条4)。
なお、仮装隠ぺいした場合や、2事業年度連続して期限内に申告書の提出がない場合には、青色申告を取り消しされる場合があります。

 

◆不納付加算税
源泉税の納付がなされていなかった時に課されるペナルティです。
もっとも注意すべきなのは、今まで従業員を雇っていなかった場合です。
雇用主は、従業員の納税を代わりに実施する必要があり、従業員にとっても雇用主が代わりに収めてくれるという当たり前の認識があります。
雇用主に知識がないと、源泉徴収を忘れてしまう可能性があり、その場合不納付加算税が課せられてしまう可能性があるので要注意です。

(税率)
 ● 正当な理由あり
 →0%
 ● 税務調査を受ける前に、自主的に修正申告
 →5%
 ● その他 
 →10%
法定申告期限までに納付する意思があったと認められ、1か月以内に納付した時は課税されません(国通法67条3項)。
税額が5,000円未満であれば切捨、課税されません(国税通則法119条4)。


◆重加算税
申告書の内容を故意に偽っていた場合等、悪質な場合に課せられます。
附帯税の中で、もっとも税率が高く、影響が大きいです。
税金の計算・納税を偽ることなく、正々堂々と納税まで実施しましょう。

(税率)
 ● 期限内申告
 →追加納付税額×35%
 ● 期限後申告
 →同上40%
税額が5,000円未満であれば切捨、課税されません(国税通則法119条4)。

<2.事例紹介>

◆実務的によくやってしまう失敗
一般的に実務上、忘れがちなものをご紹介いたします。ここでご紹介した事例を参考に実務では十分にご注意ください。

例1) 期中で申告の準備が十分にできておらず、申告期限までに申告ができなかった場合
  よくありますよね?もちろん顧問税理士さんとのやり取りを含め、期中に事前に申告に向けた作業を進めておくことが最も大切です。
  しかし、期中の業務が忙しく、万が一申告・納付ともに間に合わなかった場合は、下記のペナルティが科されます。
  ① 無申告加算税(税務調査前であれば5%)
  ② 延滞税(納付期限から2カ月以内に納付した場合は7.3%)
   ※意図的に無申告とした場合は、上記に加えて重加算税(期限後申告40%)が課される可能性があるので、ご注意ください。
   ※申告期限から1カ月以内に自主的に行われている場合等、一定の場合は0%の場合があります。

例2) 期中で従業員や外注業者に対する源泉徴収税額の徴収及び納付を実施しなかった場合
  会社には、従業員や外注業者に代わって所得税を預かり納付するという源泉徴収義務があります。
  しかし、源泉徴収義務を放っておくと大変なことになります。
  滞納した場合、下記のペナルティが科される可能性があります。
  ① 不納付加算税(正当な理由がなく納付しなかったら未納付額について5%)
  ② 延滞税(納付期限から2カ月以内に納付した場合は7.3%)
  ※意図的に納付しなかった場合、例1と同様、重加算税が課される可能性があ
   ります。

例3)申告後、税務署に誤りを指摘され過年度分を修正し、追加で税金の納付が発生した場合
  事業を数年継続できて、利益がでるようになった頃、税務署がやってきて過去の3年間のデータをチェックされて過去の誤りを指摘されたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
  過少に申告した場合には、下記のペナルティが科される可能性がでてきます。
  ① 過少申告加算税(原則10%)
  ② 発生した追加納税額を納める期限から延滞した場合には、延滞税(納付期限から2カ月以内に納付した場合は7.3%)
  ※意図的に過少に申告していた場合、例1と同様、重加算税が課される可能性があります。

<3.その他補足とまとめ>

◆どうやって納めるのか?
税務署等が計算して、納付書が送られてきます。
送付されてきた納付書にしたがって納付することになります。

◆ペナルティである追加納税額等は経費になるのか?
罰金のため、税務上の経費(損金)になりません。
ただし、利子税は、制度上認められたもので罰金ではありませんので、納付年度に損金算入できます。
 
◆まとめ

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いかがでしたでしょうか。
申告・納税は、社内でのスケジュール管理をしっかりと行い、期限までに必ず納めるようにしましょう。
万が一、書類作成が完全ではない場合でも、一旦提出してから後日修正するという方法もあります。
申告や納税が遅れてしまった場合、影響額が最低限になるよう落ち着いて行動しましょう。

弊社では、申告や納税が遅れてしまったことについてのご相談も受け付けております。ご気軽にご相談ください。

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