2014.12.17

FINAL TAX RETURN

【年末調整】スムーズに終わらせるための予習ブログ

「年末調整はとにかく大変だ」という周りの声のせいで、必要以上に身構えてしまっていませんか?

 今回は年末調整をはじめる準備として、全体的な年末調整の流れなどご紹介したいと思います。

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年末調整とは

 1月〜12月で稼いだ所得に応じて所得税を納めますが、
 会社勤めの人はあらかじめ1年かけて、概算額を給与から天引きされます。

 そのままにしておくと、会社職員の全員(役員、従業員、パートなど)に
 所得税が本来よりも多めにかかってしまうので働いている皆さんが損してしまいますね。
 そのために、「年末」に1年間で正しい所得税とするために「調整」を行い、
 本来の金額との差額が還付または徴収されることを年末調整といいます。
 (※「還付されたら飲みに行こう~」とお考えの方もいるかもしれませんが、
 たまに還付ではなく徴収される方もいるので油断はなりません。) 

年末調整の全体像とスケジュール

 ①年末調整の事前準備

 ②年内に還付額の支給

 ③年明けに源泉税の納付

 これで年末調整業務は完了になります。
 今のうちに全体の流れをなんとなく把握して、下記の流れを参考に進めて頂ければ
 年末調整はスムーズに完了させることができると思います! 

11月までに行う業務

 ・必要資料の周知と収集
 ・社内からの問い合わせの対応
    →扶養控除申告書、保険料控除申告書を配布し、それぞれに内容の記載して頂き、
     各種控除証明書と合わせて回収します。
     年末調整をスムーズに完了できるかどうかはこの準備にかかっています。 

給与締日が過ぎたらできるだけすみやかに行う業務

 ・12月支給分給与・賞与額の計算
 ・1年間の支給合計の算出 

どんなに遅くても還付予定日の7日前には着手する業務

 ・所得控除額、年税額の計算に着手する。
 ※作業の上で確認事項が必ず出てくるので、余裕を持った日程でスケジュールを組みましょう。 

年内最後の給与支給日に行う業務

 ・差額の還付または徴収
 ・給与明細の交付

 ・源泉徴収票の交付
 

翌年1月10日までに行う業務

 ・源泉所得税額の納付
   翌年の10日までに、年末調整による徴収還付額を加算減した金額を納付します。
   ※納期期限が土日祝と重なる場合には、その次の日の平日が納期期限となりますので注意してください。 

年末調整で最低限おさえておきたい項目と資料

 年末調整の対象者のうち、それぞれの最低限おさえておきたい資料をまとめました。
 下記の項目に漏れがないかを必ず確認しましょう。 

正社員(社会保険を会社から控除している方)

 【収集資料】生命保険料控除証明書、火災・地震保険控除証明書
  社会保険料控除額は賃金台帳から確認できるため、その他に個人が支払った保険料はないかを確認してください。 

対象年内に途中採用で入社された方

 【収集資料】前職の対象年分の源泉徴収票
  2社の給与を合わせた金額で1年間の所得税を計算するため、前職分の源泉徴収票が必要になります。
  「なくしている人」や「もらい忘れている人」が多いのですが、
  これがなければ年末調整ができず、確定申告が必要となります。
  そのため、早い段階で前職に請求するように伝えてください。 

パート・アルバイト(国民年金、国民健康保険の方)

 【資料収集】国民年金の控除証明書、国民健康保険の支払額がわかるもの
  国民年金の控除証明書は毎月10月末日に年金事務所から個人に向けて送られてきます。
  混同しやすいところですが国民年金保険は控除証明書が発行されません。
  領収書をもって支払額を確認することになりますが、
  来年1月末までに確認書類を入手できるという前提であれば、
  記帳された通帳などから金額を拾うことも認められています。
  時間が取れる場合には、市区町村から証明をもらうこともできます。 

最後に

  今回紹介したのは年末調整のほんの一部分ですが、年末調整は会社全体にとって大切な業務になります。
  会社全体からの協力を得るためにも、経理担当の皆様は準備をなるべく早いうちから進めておくことが大切です。
  年明けの「税務署に提出す 支払調書合計表」や「市町村に提出する 給与支払報告書」などの作成に
  スムーズに移れるように、前倒しのスケジュールで進めていきましょう!

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