2015.02.16

TAX ADVISOR

【ベンチャー会計事務所が選ぶ若手経営者のための書評】 『領収書1枚で経理センスが身につく本』~「ビジネス情報の宝庫」を理解できる


領収書1枚で経理センスが身につく本

作者:梅田 泰宏

出版社:東洋経済新報社

発売日:2009/9/16

【おすすめ】

・入社1~2年目ぐらいの経理担当者
・経理や税務について少し理解しておきたい若手経営者
・領収書をなかなか出してくれない人や部署に仕組を理解してほしいと考えているビジネスマン

【概要】~センスを身につける

ビジネスマンに経理「センス」を身につけてもらうための本。
経理や領収書の役割を知ることで、情報をより汲み取ることができる。

全体的には、具体的な領収書の処理が、数字・場面など、想像できやすい形にして書いている。
また、経理と税金にまつわる「都市伝説」について、や今まで知らなかったカラクリが書かれている。

経理に全く関係ないビジネスマンにも「領収書の役割」がわかるように書かれており、「経理センスを身につけたい」、「数字に強い営業になりたい」と思っている方はぜひ読みたい。

【共有したい箇所の引用】

・「領収書には経理や税金、さらには会社のしくみといったものにまで関わる情報が含まれています」
・「領収書はまさに『ビジネス情報の宝庫』と言えるのです」

【足りないところ】

この本は2009年8月時点の税制、会計基準に基づいているため、読んでいる現在の税制や会計基準に当てはめてみながら考える必要がある。
また、この本で全ての証憑の処理を学べるわけではないので、別の証憑の専門書が必要。

【どういう時に役に立つか】

・試算表を作成するとき
・仕訳をきるとき
・1回証憑を入力してみて、次に進みたいとき

【全体感想】

会計事務所として、「領収書はまさに『ビジネス情報の宝庫』と言えるのです」
は間違いないと思われる。

領収書は、会社がどのような経緯でどんなことに注力しているかなど、成長記録なものである。
そこから得られる情報は、公開されている情報よりも詳しく、深いものである。

また、入社1~2年目の経理担当者にとって、試算表作成をはじめる際に読む本としてはかなりいいと思う。
実務に触れながら具体的な内容で経費について、領収書についての説明がなされている。
とてもわかりやすく、ある程度網羅されている。

税務や会計基準などを最初に扱うと、とても取っ付きにくい。
毛嫌いするおそれもあるので、まずはこれを気軽に読むことで、少しずつ慣れてもらうのが最適である。
とてもこの本はとても読みやすいので、非常に適していると思われる。

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