2014.01.23

ESTABLISHMENT

定期的に見直したい!経営理念を明確にする4つの質問

多くの経営者・起業家にとっては事業・経営理念(以下「経営理念」)は何となく作ってはいるものの、形骸化してるという状況ではないでしょうか?そもそも経営理念をつくる起業家は100人のうち70人くらい、その70人の中で意味のある経営理念をつくっている起業家は10人くらいです。さらに、定期的に経営理念を見直している経営者は全体の10人のうち3人程度です。しかし、経営理念があるのとないのとでは大きな違いがでてきますし、定期的に見直しをすることで俯瞰して事業を見つめ直せます。そこで、本日は経営理念を明確にするための4つの質問をご紹介します。

 

経営理念とは

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経営理念とは自分のビジネスを通して、何をやり遂げたいのかを明確にしたものです。社長が会社を経営する上での信念まで高まった強い思い、会社の存在意義とも言えます。VisionMissionということもありますが、その違いの説明はまた機会があるときにさせていただきます。

「顧客第一主義」「クオリティーファースト」等、一文で表現するところも多いですが、今回はその前段階の説明です。

「誰の、どこの、どのような問題を解決したい」と思っているのかが明確になることで、迷ったり、困難な状況に陥ったりした時の指針になります。また、経営理念を明確にすることで、ビジネスの方向性に対して「何に価値を置いているのか」が決まります。価値があることが決まれば、それを基に短期的な目標と優先順位を定義することができます。そのロードマップが完成することが最初の第一歩になります。

出資してくれる人を巻き込むにしても、クライアントを巻き込むにしても、一緒に働くメンバーを巻き込むにしても、この理念に共感してもらえることが、一番最初に必要な作業になります。
経営理念が起業する一番の理由であり、ビジネスを続ける原動力となるものなので、一番最初に明確にしておきたいものです。
この理念を明確にすることが、事業計画作成の最初のステップにもなります。

<以前のBlog記事>
成功する起業家は即答出来ている。効果的な事業計画4つの要素

以下の4つの質問に回答することで、経営理念が明確になっていきます。

  1. あなたが解決したいのは誰の何の問題か?
  2. あなたはなぜその問題を解決したいのか?
  3. あなたはどうやってその問題を解決するのか?
  4. その解決方法は10年後、20年後の自分が今を振り返った時にも後悔しない解決方法か?

 

1.あなたが解決したいのは誰の何の問題か?

この質問で、あなたの社会に対する問題意識(where)を明確にしています。
この問題を考えることで、今後のあなたのビジネスを通じて、役に立ちたい人(ターゲット)、解決したい問題を明確にできます。
あなたのリソースは限られており、世の中の全ての問題を解決することはできません。
そのため、この質問の回答を考えることが、リソースを投下する先を考える上で、そして、何かの時に立ち返るための重要な原点になります。

 

2.あなたはなぜその問題を解決したいのか? 

1.の質問へのwhyを考えます。1.の原点(コア)となる部分の理由を深掘りすることで、より問題を解決したい理由が明確になってきます。物事をやり遂げる時に、やり遂げる理由が明確であればあるほど、その都度、自分がやっていることの振り返りとゴールの確認ができます。
理由は1つである必要はありません。複合的な理由が積み重なった結果でも大丈夫です。
自分の過去の体験から回答が出てくる人が多いかもしれません、周りの人をみて解決したいと思ったでもいいですし、将来のことを想像して回答を作っても構いません。

 

3.あなたはどうやってその問題を解決するのか?

1.の質問へのhowを考えます。howを考えることがビジネスのヒント又は、ビジネスそれ自体になります。
回答を考えるポイントとしては、自分がそれを出来るかどうか、過去に経験があったり、実績があったりするかということは考えず、純粋に、「どうすればこの問題を解決できるか」「この問題を解決するためには、こうなればいい」ということを考えればいいです。
それでも、howが浮かばない方は、「そもそもこの問題がなぜおこるのか?」という、問題の原因を明確にすれば、その対応策が出てくると思います。 

 

4.その解決方法は10年後、20年後の自分が今を振り返った時にも後悔しない解決方法か?

最後に、今からの視点ではなく、時間軸をずらし、将来から今の考えを振り返る必要があります。
短期的にビジネスを終わらせる場合は必要ないですが、大体は問題の解決には時間を要します。その際に、今の自分からみるのではなく、将来の自分がどう思うかを考えることで、俯瞰的に考えられます。
その時点での自分の置かれた環境(仕事・プライベート)を考えることで、本当にその時にも今の問題を解決したいと思っているのか、家庭が出来て子供が出来たら、もっと自分の身近な問題に意識がいってしまわないかを考えるだけでも、見えるものは変わってきます。
さらに、将来の予想は難しいですが、その時の世の中がどうなっているかを考えることで、今の解決方法でいいのかも振り返るきっかけになります。
Amazonのビジネスモデルは常に将来を見据えて、淡々と事業を拡大をしていることは有名です。
ブレないから利益率が低くても、売上は拡大しています。ブレない経営理念をつくるためにも、時間軸の概念を最後に入れることが非常に重要になってきます。 

まとめ

以上の4つの質問の回答を考えることで、会社の核となる経営理念が出来てきます。
起業前にも考えておきたいですし、スタートアップの会社が事業拡大の都度振返ってもいいですし、成長企業も採用を考える都度見直してもいいと思います。
会社経営をしていく中で、都度立ち戻る場所としての経営理念は非常に大事になります。
弊社では経営理念の作りこみについてもアドバイスをしておりますので、気軽にご相談ください。

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