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労務管理メモ ~社会保険・労働保険 簡易年間スケジュールの巻~

安定した生活を送るうえで欠かせないのが、...社会保険!
保険や年金制度のおかげで、私たちは安心して生活することができますよね。
ただ、いろいろな保険があって、各種手続きが煩雑なのも事実...。
いつどんな手続きをすればよいのかわからなくなりがちです。

本記事はそんな総務部(+中小企業の経営者)のお悩みを少しでも解消できればと思います。
そんなわけで、今回は社会保険料及び労働保険料の改定時期と各種書類の提出期限をまとめました。

●年間スケジュール

図にまとめると以下のようになります。

 労働管理メモ.png

7月の算定基礎届の提出や年度更新といった最重要手続きのほかに、
各種保険料率の改定がちらばっているので要注意です。

当スケジュールのほかに、毎月の給与計算や臨時決定による社会保険料の変更など、
様々な業務が重なる時期ですね。

以下、スケジュール表に沿って、各制度・手続きのさわりの部分のみ解説していきます。

●7月 算定基礎

・算定基礎とは

算定基礎とは何かご存知ですか?
正確には定時決定という社会保険の手続きで、
届け出る際の書類の名前から「算定基礎」と呼ばれることも多いです。
ぱっと見、小難しそうな印象を受けますが、なんということはありません。

日本年金機構によると、

○健康保険及び厚生年金保険の被保険者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、7月1日現在で使用している全ての被保険者に4~6月に支払った賃金を、事業主の方から「算定基礎届」によって届出いただき、厚生労働大臣は、この届出内容に基づき、毎年1回標準報酬月額を決定します。 これを定時決定といいます。

つまり簡単に言い換えると、保険料算定のための基礎となる金額を決めるということです。
私たちが支払っている保険料は、毎月の給与額に保険料率を掛けて算出しているわけではないのですね。

・計算の方法

上記の引用にもある通り、4~6月の給与をもとに月の平均給与を計算します(一般的には4~6月分の給与を足して、3で割る)。

これを標準報酬月額といい、算定した標準報酬月額をもとに等級を決め、1年間(9月~翌8月)の支払う保険料の金額も定まります

実際の等級や保険料率の確認は、下記をご確認ください。

全国健康保険協
(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h29/h29ryougakuhyou9gatukara)

日本年金機構
(http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20170822.html)

・手続きの方法

毎年大体7月10日までに、事業主が算定基礎届を年金事務所または事務センターへ提出する必要があり、
届出の方法は、郵送・窓口持参・電子申請の3つあります。

郵送・窓口持参の場合、算定基礎届を
日本年金機構(www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20141104-01.html)
でDLできます。電子申請の場合、e-GOV(http://www.e-gov.go.jp/)で手続きができます。

●7月 年度更新

・年度更新とは

年度更新といわれても、何の年度を更新するの?と思われるかもしれませんが、
年度更新とは"労働保険料"の更新の手続きのことです。

年度更新は大きく分けて2つの手続きに分けられます。

前年度に見込みの賃金総額で納めた労働保険料と実際の賃金総額で求めた確定保険料を比較して差額を精算する

今年度の賃金見込額から今年度の概算保険料を計算する

→ ①と②を合計して納付する

つまり、年度更新は

前年度の"労働保険料"の確定・精算手続き

今年度の"労働保険料"の概算納付の手続き

に分けられ、労働保険料の納付を正確に、スムーズに行うための手続きのことです。

・手続きの方法

6/1~7/10までに、金融機関・所轄の労働局・労働基準監督署のいずれかに年度更新申告書を提出します。
なお、年度更新も電子申請が可能です。
電子申請につきましては、e-GOV(http://www.e-gov.go.jp/index.html)を参照ください。

・分割納付

労働保険料の納付は月ごとではなく、年に一度会社がまとめて行います。ただし、一定の条件を満たす場合は、3回に分割して納付することが可能です。分割納付の際の、納期についてはスケジュール図の※1の通りです。

●9月 定時決定による社会保険料の改定

9月(10月の天引き分)から、7月に行った標準報酬月額の改定が適用されます。

●10月 最低賃金改定

・最低賃金改定時の対応

最低賃金が改定された場合、従業員が最低賃金以上の給与水準か確認しましょう。給与の計算形態に従って以下の様にチェックします。

1. 時間給の場合
時間給≧最低賃金額

2. 日給の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額

3. 月給の場合
月給÷1カ月平均所定労働時間≧最低賃金額

時間給の場合は単純に最低賃金と比較すればよいだけです。
日給・月給の場合も、時間給に換算して最低賃金を上回っているかチェックするだけです。
詳しくは厚生労働省の最低賃金特設サイト(https://pc.saiteichingin.info/)をご確認ください。

・罰則はあるの?

地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、
特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、
労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

うっかり違反していた!では済まされませんので、ご注意ください。

●3月 健康保険料率及び介護保険料率の改定

健康保険・介護保険は、全国健康保険協会が運営する"協会けんぽ"と
健康保険組合が運営する"組合健保"に分けられます。

協会けんぽは都道県別に保険料率が異なっており、
おおむね毎年3月に変更されることになっているため、
協会けんぽ加入の場合、3月は忘れずに料率変更を行いましょう。

●最後に

労務の基本的な年間スケジュールを頭に入れておけば、
ある程度心理的な余裕をもって業務を進めることができるはずです。

入退社手続きで忙しい4月や年度更新・算定基礎で忙しい7月はもちろん、
最低賃金・保険料率の改定がある10月、3月にもご注意ください!

弊社では諸手続きのご協力を承っています。
お困りの際はお気軽にご相談ください。

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