2014.07.01

ACCOUNTING

経営者必見!ルールを知らなかったでは通用しない、会社の期限後申告の四重罰

会社を経営している方々にとって、決められているルールはいくつかあります。
そのうちの一つが、
1年に一回必ず発生するイベントである会社の決算申告の提出期限のルールです。
会社の業績を再確認し、法人税や消費税等の申告書を作成し、
税金を納め、翌期の事業計画を再構築する、そんな大事な手続きです。

法人税や消費税の申告は、決算日から2か月以内に税務署に提出しなければならない
(上場企業などで申告期限の延長申請をしている場合を除く)
というルールが決められており、
この掟を破ると、申告書は「期限後申告書」という全く別のものとなってしまいます。

このルールというのは法律で決まっており、「知らなかった。」では済まされません。
今回は、そんなルールを破ってしまった場合のあなたに訪れる4つの悲劇を御説明させて頂きます。

【あなたに訪れる4つの悲劇はこちら!】
1.期限後申告書は、税金の負担がアップする!
2.期限後申告書は、青色申告が取り消される!
3.期限後申告書は、税務署の心象が悪い!
4.期限後申告書は、信用されない!

なお、以前弊社ブログで、
個人事業者・フリーランス向けの確定申告を対象とした、
今からでも問題ない?実は遅れてもそこまで大した事ではない期限後申告
というブログをあげさせて頂きました。
よろしければこちらもご覧ください。

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1.期限後申告書は、税金の負担がアップする!

決算では多くの会社が主に4つの税金を納める必要があります。
1つ目は法人税(利益に対して課税)。
2つ目は事業税(利益に対して課税)。
3つ目は消費税(取引に対して課税)。
4つ目は
住民税均等割(会社が存在していることに対して課税、利益が出ていなくても発生)です。
(他にもいろいろありますが今回は割愛させて頂きます)

法人税・事業税については中小企業の場合、
所得が800万円以下であれば概ね24%ほどではありますが、
消費税は赤字でも必ず発生しますし、
法人の住民税も最低70,000円発生致します。
これに加えて申告してなかったということによる罰則である「無申告加算税」や、
納付が期日までに完了しなかったことによる「延滞税」が生じます。

【無申告加算税】
無申告加算税については本税50万円までが15%、
50万円を超えればその部分は20%となります。

【延滞税】
平成26年度の場合、延滞税は
年率9.2%(期限後2か月までは2.9%)も支払わなければなりません。

これらの支出は全く持って無駄です。
しかも多くの税金は費用として認められません。
このような無駄なお金を払うなら、
従業員の給与や福利厚生に回した方がよっぽど有用です。

では、実際いくらくらいの納付が必要になるのでしょうか。
下記をご覧ください。

【具体例】
利益が1,000万円となった場合で、
消費税の納付が50万円必要なときの加算税・延滞税を試算してみます。
その場合の納付額は、おおよそ以下のようになります。
(※平成26年4月以降に開始の事業年度の場合)

<本来払うべき税額>
   法人税:170万円
   消費税:50万円
   事業税:70万円
   都民税:30万円
    で合計320万円です。
   これだけでも支払は大変です。

<追加で納付しなければならない税額>
  仮に1ヵ月延滞してみたとしましょう。
  その場合は、以下の金額を追納する必要が出ます。
   法人税:(加算税)50万円×15%+(170万円-50万円)×20%=315,000円
        (延滞税)170万円×2.9%×1/12ヵ月=4,100円
   消費税:(加算税)50万円×15%=75,000円
        (延滞税)50万円×2.9%×1/12ヵ月=1,200円
   事業税:(加算金)50万円×15%+(70万円-50万円)×20%=115,000円
        (延滞金)70万円×2.9%×1/12ヵ月=1,600円
   都民税: (延滞金)30万円×2.9%×1/12ヵ月=725円→0円(千円未満の場合0円の為)

そうです、なんと50万円以上も払わなければなりません。
上記の式を見ておわかりになる方もいらっしゃるかもしれませんが、
その内訳のほとんどが加算税・加算金です。
つまり、1日でも申告・納付が遅れれば、
多額の追徴を求められる可能性があるのです。

かつて、関西電力さんが約247億円の消費税を納付していたにもかかわらず、
申告書の提出が期限内でなかったがために、約12億円を追徴で納付したという話もありました。

ますます、期限内の申告と納付が重要であることがわかりますね。

2.期限後申告書は、青色申告が取り消される!

2期続けて申告が期限後になった場合は、なんと青色申告が取り消されてしまいます。
このことによる一番の大きな損失は欠損金の繰越控除が受けられなくなることです。
節税の観点からしてもナンセンス極まりありません。
せっかく経費をしっかりとつけていても、それすら無駄になってしまう可能性があります。

3.期限後申告書は、税務署の心象が悪い!

税務署にとってみても、期限後申告をする会社にはあたりが厳しくなります。
税務署職員も人ですから、いいイメージがもたれないのは当然ですね。
一概に税務調査が厳しくなるとは言わないまでも、心象が悪くなることは間違いないです。

4.期限後申告書は、信用されない!

期限後申告をするということは、すでに法律を守っていないということになります。
そのような会社が信用に値する会社かといわれれば、少々疑問が生じてしまいます。
銀行融資を受けたい!と思っても、そんな会社にお金を貸してくれる銀行は少ないのも事実です。
又、融資の際に、納税を行った領収書は必ず確認されます。

まとめ

期限後申告をする会社は、

 ■会社のお金が流出する
 ■青色申告の特典がなくなる
 ■税務署からも目を付けられる
 ■会社の信用を失う

ということで、まったくいいことはありません。
出来る限りではなく、必ず申告期限内に行うようにしましょう。

ちなみにですが、郵送の場合は申告期限の当日消印が有効ですので、お近くに24時間やっている郵便局があれば駆け込んで提出してください。
裏ワザですが、申告期限翌日の税務署が開く前でしたら、税務署の夜間ポストにいれることでも可能です(が、そんなギリギリにならない様、計画を持って提出準備をしましょう!)。

弊社では、会社法人に関する税務、会計、経理、記帳代行だけでなく、人事・労務問題や保険などを用いた節税対策など様々な問題に対応しております。お気軽にご相談下さい。

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