最近は、IT化により経理の仕事で自動化される部分が増えています。
たぶん、ターミネータのようなコンピュータが勝つ時代はずー・・・っと先です。
つまり、人の手による作業は今後も必ず残ります。
そして、人の手で行う限りミスは必ず起きます。
このブログでは、経理ミスによって税金が増えてしまうよくある場合を紹介します。
◆売上を二重計上した
売り上げの代金を受け取った場合には領収書を発行します。
皆様、領収書を書き損じたことはございませんでしょうか?
注意していても起こりますよね。
実際に商品を売り上げたのは1回であっても、
書き間違った領収書が1枚、書き直した正しい領収書が1枚
→合計2枚の領収書が作られます。
誤って2枚とも売り上げとして計算した場合、売り上げが倍となり、無駄な税金を払うことになります。
さらに悲劇なのは、税金の計算では過去の売り上げを取り消せる期間というのは限られているということです。
そのため、「あ、処理を間違ってた・・・」と数年後に気付いたとしても、無駄に払った税金は取り戻すことが
できない場合があります。
【例】
100万円の売り上げを二重計上してしまった場合には、
法人税等約35万円、消費税約8万円を損します。
このミスを防ぐには、書き損じた領収書には大きなバッテンを分かりやすく付ける、売上管理表を別に作成
するなどの対策を取る必要があります。
◆在庫の計上が漏れた
在庫の計上が漏れてしまう例には次のようなものがあります。
実は、年度末に行う棚卸作業の時に数え足りなかった
実は、発注したけど会社に届いてない未着品があった
実は、取引先に預けている材料があった
在庫が漏れた場合には、その分だけ利益は少なく計算されます。
それを正しい税額に修正する際には増えた税金を追加で納めることに加えて、
計算を誤ったことに対する罰則的な税金も発生します。
【例】
100万円の税金の増加に、3年後に気付いた場合には、
さらに35万円の罰金を納める必要があります。
◆経費の領収書をなくした
経費が少なく計算されるため、利益が大きく計算されます。
余分な利益には、余分な法人税(約35%)が課されます。
これは払わなくて良かった税金を払いすぎることを意味します。
【例】
100円の領収書には、35円の節税の力があります
このミスを防ぐには、もらった領収書をしまう場所を決めておくなど、
管理の習慣を付ける必要があります。
◆さいごに
このブログでお伝えした例はほんの一部です。
また、経理ミスで起こる損害は税金が増えるというだけでなく、
意思決定を誤ってしまう、不要な手間が増えるなど、様々です。
仕事において人為的なミスはつきものです。
ITを活用しルーティン業務に時間をかけず、ミスを防ぐためのチェックや仕組みの
検討に時間を割けるようにするのが、不要な税金を支払わないためにも重要です。
弊社では、会計と申告のお手伝いだけではなく、人の手によるミスを少しでも減らすための経理合理化コンサルなども行っております。お気軽にご相談下さい。